出典:wine-bu.com
2016年09月16日
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コルクで描くサプライズなアート!
トレードマークのヒゲをピンと立てた、おなじみダリの肖像画。
でも、これよーく見ると実は全てワインのコルクで作られているんです!
コルクに染み込んだワインの色を”絵具”にして表現する、「コルク・アート」と呼ばれるモザイク画。
どんな人が、どんな想いで、どうやって作っているのか?
さぁ、コルク・アートの世界へようこそ!
ワインを楽しむ時、その味わいについて語る人は多くても、
コルクに目を向ける人はなかなか少ないのでは?
ましてや栓を抜いた後は、瓶と一緒にいわゆる廃材となってしまう運命のコルク。
そんな長さ5センチ程の木の栓に、新しい息吹を吹き込む人に出会いました。
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それが、久保友則さん。
現在、恵比寿ガーデンプレイス内にあるフランスワイン専門店「La Vinee」で
シニアソムリエとして活躍されています。
仕事柄、日々コルクを抜きながら、何とかこれを再利用できないかと考えていた久保さん。
その想いはこんな形となりました。
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「???」
と思うなかれ・・・!
一歩下がると、
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そう、銀幕の大女優グレース・ケリーの姿が!
実はワインのコルクを使って人物を描く「コルク・アーティスト」の顔も持つ久保さん。
その作品や想いについて、じーっくりと伺ってきました。
廃材コルクをアートにリメイク
インタビュー場所は、久保さんの作品が8枚並べられた素敵な空間。
初めて観るコルク・アートに「今日もワイン部」も興味深々・・・!
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今日もワイン部(以下「今」):
今日は、よろしくお願いいたします!
インターネットなどで久保さんの作品は観ていましたが、やはり生で見ると迫力がありますね!
色々お聞きしたいことはいっぱいですが、まず「コルク・アート」をやろうと思ったきっかけは?
久保さん(以下「久」):
ワインのコルクは、みなさんが普段捨ててしまうような廃材ですが、ボトルを1本飲んでコルクをひとつ捨てていく、これをみんなが繰り返していったらコルクの樹もいつかは無くなってしまいますよね。
そこで廃材コルクをアートという形に変え、リサイクル的な意味合いも込めたいと思いました。
作品を作る時は、コルクの長さも切ったりすると、そこでまたゴミが出てしまうので、そのままの形・大きさで使っています。折れてたり、欠けてたり、ちょっとカビているものも無駄なく使っています。
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今:最初に作られたのはどの作品ですか?
久:このナポレオンで、だいたい半年程かけて作りました。
コルクアートをやりたいと思いついた時、コルクひとつの大きさで、人物の顔を誰かと分かるまでにするには、どの位の色数と作品の大きさが必要なのか?ということをまず知り合いのデザイナーに相談しました。
一度モチーフをデジタルで4色にしたところ、大体10段階位の色調で、1メートル×1メール位のサイズであればいいだろうということが分かりました。
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今:それを聞いた時は?
結構なサイズですよね?
久:いや~、そんなの出来るかな~って思いました(笑)
とりあえず1メートル×1メールのサイズでやるためには、コルクが2000~3000個必要で、僕も結構ワインを飲むのでコルクはためていたんですけど足りる訳も無く。そこで仲の良い友達やレストランの知り合いに半年間呼びかけをし、必要な数を集めました。たまったコルクは色分けをし、デザイナーに下絵を作ってもらい、いよいよ制作に入りました。
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色ごとにトレーに入れられ、きちんと整理されたコルク。(久保さん撮影)
久:まずコルクの色分けから始めたんですが、一番白いものから徐々に茶色が濃くなって、だんだん赤が入ってきて最後は真っ黒に。今は、だいたい27段階位ありますね。当然、ひとつのトレーの中でもグラデーションがある訳で、その中からその場所に一番合うコルクを選んで使います。
だいたい150個位のコルクがひとつのトレーに入っているんですが、それが何段にも重なっている状況で、最近はコルクも常時家に2万個位あって(笑)
作る時は、ベースとなる板に下から一列ずつ、木工用ボンドでコルクをひとつひとつ留めていきます。
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どれひとつ同じ形、色が無いコルクたち。
久:ナポレオンは一番思い入れがある作品でもありますね。
制作する時は下から一列ずつ順にコルクを並べていくと言いましたが、この作品は大きさを支えきれず上下半分ずつに分けて作ったんです。
で、いざ出来上がってくっつけようと思ったら、これが上手くつかなくて。。。
簡単につくと思っていたんですが、コルクってひとつひとつ形が違うので、ピタッといかなかったのが苦労しましたね。
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モチーフに込められた想いとトリック
今:作品のモチーフは、どうやって選んでるのですか?
久:今回展示しているナポレオン、グレース・ケリー、マリア・カラス、マルク・シャガール、サルバドール・ダリ、ワイン醸造家のマダム・ルロワ、ココ・シャネル、レオナルド・ダ・ヴィンチと、みんな何かしらフランスにゆかりのある人々なんです。
僕はフランスワインが好きなので、やはり”フランス”や”ワイン”を思い起こさせてくれるような人物がいいなと思い選びました。
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ニューヨークで生まれ、パリで活躍しその生涯を閉じた歌姫マリア・カラス。
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別名「愛の画家」と呼ばれたフランスの画家マルク・シャガール。
「今日もワイン部」編集部
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